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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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 未完の師弟、或いは 5

  日本人であると一見して判るが、その顔立ちは、どこかモナ・リザを髣髴とさせる。
「ミケランジェロは彫刻が絵画よりもすぐれていると言う。一方、レオナルドは絵画が彫刻よりすぐれているという。さて、チミだったら、どちらがすぐれていると思うかね」
 シノリナは、「絵画」と答えた。
 それはなぜかと問うた。
「絵画は立体的にも描くことができるからです」
 その講師のようなものは、少しばかり、唖然としてしまっていた。
            ◇
 正解とは言えない回答であっても、ハズレとも断言しづらいような、ビミョーなものが多い。理路整然としたことを述べるわりに、算数の問題で回答の為に立てた式の根拠を訊ねてみると、「なんとなく」と口にすることが実は多い。回答の「絵画」とか「なんとなく」の語調も、語尾に流行りの「。」がつく感じで、「?」もつかないし、声量にデクレッシェンドがつくわけでもない。
 小学生のわりに、非常に落ち着いて見えるのは、やはり、肝が据わっているせいなのか。
            ◇
 赴任後1箇月が過ぎた4月、最初の模試があった。算数の偏差値は、50だった。
 赴任前の前回のテストよりも、1だけ偏差値が上がったのは、偶然か向上の前触れなのか。
            ◇
 その先生のようなものは、質問にも答えないし、テキストも進めない。しかしながら、このモナ・リザめいた不思議ちゃんと楽しくお喋りをしていただけではなかった。
            ◇
 お喋りをしていると、どうしても、この子が頭の悪いようには見えなかったのである。
 既習単元の基本問題をあちこち確認してみると、80%がた答えられるのである。つまり、キチンと努力もしてきたのだ。
 ――これは果たして、偏差値50程度の子供だろうか。
            ◇
 賢くても、所詮は小学生だ。
 テキスト通りの訊かれ方でなければ、何が解答として適当なのか判らなくなることだって、頻繁に起こるものだ。取り扱っていて授業中では解けた問題が、テストで得点できないことはよくあることなのだ。
 ――実戦慣れが適えば、すぐに模試での得点が伸びるのではないか。
 そう思ったので、模試の過去問題を当たってみたり、テキストの各単元の基本問題をランダムで当ててみたりした。制限時間をつけて小規模とはいえ、テストもしてみた。
 そして、赴任後1箇月目の4月に模試があった。先に記した通り、これが50であった。
 次の模試は3か月後の7月だった。算数の偏差値は、52となった。
            ◇
 徐々に上昇しているな、と誰もが思っていた。
 彼女を取り巻く環境は、爆発的な伸びを、そろそろ期待していた。
 夏休みを挟んで、次の模試は9月だった。夏の連日講習の結果が、試されるテストである。夏休みだけに、毎回の宿題の完成度を始め、小学校のある普段よりは、ずっとキチンとやれていた。ズルはなかったし、理不尽な量の演習を課したわけではなかったが、手を抜かせることはしなかった。
 ところが。
 9月の模試の結果は、偏差値42という、惨憺たるものだったのである。
          ◇◇◇
 まだ、生きています。
 食事を摂ると、記事を編集できなくなります。
 食事を抜くと、気分の不安定と、慢性的な気怠さと鬱が、即座に顕れてしまう。立っているだけで、信じられないくらい、疲れてしまい、自宅で歯を磨くにしても、洗面所の前で立っていないような状態だったわけです。
 また、手持ちの各種ノートに、原稿やアイディアの素になる文章をガリガリ書いているのが普段なのですが、製作活動はおろかこの駄文の書き溜めもできず、塾講師業務しかできない日が来ると、今をこうした生活を送っている意味を問う唸り声が、毎度陰気に弾劾してきます。そんな日が続くと、情緒不安定と化すわけです。
 例えば、道を歩いているときや列車に乗っているときに、シッカリ目が合ってしまった人間を始め、周囲の人間の言動に悪意めいたものが含まれていると考えるようになる、など。
 実に、危なっかしい。
 しかし、その一方で。
 「無頼派」とはきっと、壮絶な悲壮感とかをこうしてまとってニヒルな雰囲気を醸すようになるのだろう、などと考えてみれば、これもまた、何かの成長を促すものであろう。前向きに考えることも、忘れてはいないのです。
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