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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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 未完の師弟、或いは 4

 『聖アンナと聖母子』、『洗礼者聖ヨハネ』、そして『モナ・リザ』――。
 それらが投げかけてくる謎は、物議を醸して止まない。
 そのマエストロは3つの絵画を、最期まで手許に置いていたと言う。
            ◇
 2月に受け持った頃、
「全然解らない単元があります」
と、シノリナから質問をもらった。
 水量とグラフ、という単元であった。仕切りのついた柱体の水槽に水を注ぐ様子から出題されるもので、その水の溜まり方は折れ線グラフで示される。折れ線グラフから、水槽のカタチを推測したり、容積を計算したり、或いはx分後の水位を答える問題である。
 さて。
 塾講師なら、質問をもらった直後、どんなリアクションをするものであろうか。
            ◇
 算数に限って言えば、中学受験の基本テキストは、3冊ある。
 1冊目は小4生向けで、2冊目は小5生、3冊目は小6生であるが、どれも扱いが難しく、中学生でも自力で進めることはまず不可能である。
 中学受験の場合に限ったわけではないのかもしれないが、テキストの「1周目」を可能な限り早く終わらせることが、セオリーであるらしい。1回目で解らなくてもとりあえずどんどん進めて、残り時間で2周目3周目と繰り返していくことで、定着を深める狙いらしい。
 シノリナは、ミケランジェロがテキストをバンバン進めており、3冊目の3分の2が終了していた。残る単元は、「資料と統計」、「場合の数」、「文章題各種」のみであった。このペースなら、夏期講習が始まる前には3冊目の1周目を終了させることが出来る。
            ◇
 質問をもらったら即座に解決し、授業ではテキストを進めない日は無いようにする――。セオリーに倣うのであれば、原則は、こうしたところだと思います。
            ◇
「水量とグラフ?? ああ、これを理解するためには――」
 この単元は、2冊目のテキストだった。今軽く説明して解らないものは、基本的に飛ばすことが原則で、テキストを何が何でも終了させることが最優先事項だ。ましてや、既に3冊目に入っているのだから、尚更戻るべきではないのである。
 ところが、その講師のようなものは、テキストを戻り始めた。3冊目を進めず、2冊目を開ける。それで出してきたのは「水量とグラフ」ではなかった。
 直方体を組み合わせたり、くり貫いたりしてできた立体図形の単元である。
 立体の表面積と体積を計算する問題であり、誰が見ても、解法に迷うことの無いような基本問題である。
            ◇
 今更こんなのをやるのか!
 と思いそうなものだが、そんなことは無いのである。解法は簡単だが、正解できるかは別問題なのである。6面体だけに、計算する箇所が多く手数がかかるのだ。
 こうして――。
 その講師のようなものは、2月にもらった質問を応じることが無かったばかりか、テキストの1周目が終わる予定の7月になっても、質問の単元を解説しなかった。
 しかも、テキストの1周目すら、終わらなかったのである。
            ◇
 時は、9月になっていた。
 受験生にとって8月の夏期休暇は、大きな進歩を望める機会でもあります。
 しかし、質問の単元を扱わなかった上に、3冊目のテキストも終えていないし、では戻った2冊目や1冊目のテキストの2周目が完了したのかといえば、そういうわけでもない。
 結局、12月になっても1月になっても、質問の単元を扱わないし、例のテキストの1周目も終わらなかったばかりか、未着手単元が残ったまま、受験当日を迎えてしまったわけである。
            ◇
 ミケランジェロ以降のシノリナの算数の授業のすべてを、わたしが担当していたわけで、これは本来なら大変なコトになっている。
 質問を受け付けるのに、その場で解説することもせずに、妙な遠回りをしたにも関わらず、結局直接その単元を扱わず仕舞いだった。
 予定だったテキストも、終了しなかった。
 しかし、まったく問題にならなかったのである。
            ◇
 直接解説したわけではないが、シノリナは、水量とグラフは11月頃には完全にマスターできていたのである。初見の問題(模試や総合問題、過去問題での腕試し)で出てきて、正解できていたのだ。
「ぼくはこの単元を改めて解説する必要はあるでしょうか」
 1月の後半に訊いてみたものの、シノリナは首を傾げただけだった。解説されたわけでも、自力で解き直しをしたわけでもないのに、そういう問題が出てきても、とりあえず正解出来ているのだから、微妙な表情をする外無かったようだった。
            ◇
 『ミロのヴィーナス』に腕があったら、きっと今の状態ほど、かの彫刻は色っぽくないという考え方があります。
 不明なものを、即答してしまうことで、失われるものはあるらしい。
          ◇◇◇
 記事を更新すると、食事を摂る時間が無くなるらしい。
 1日中、まともな食事をしていないのに、どういうわけか、空腹感がありません。
 まぁ、普段が1日1食だから、1食除いても大した感慨も湧かないのかもしれません。
 エネルギー切れで、ガソリンを呑むようなことにならないと良いのですが。
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