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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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ぽてモン奮戦記 9

 勝って、兜の緒を締めよ。
 1学期期末試験は英語と数学のみとはいえ、勝ち戦ではあった。次の試験が9月でありしかも夏期休暇だから、まる2か月が試験への準備期間となる。通学による労力負担が子供たちには無くなるのだから、遅れを取り戻すのに良い機会だ。
 学校英語で実力を伸ばすことを考える場合、中1生の文法(プラス中2生の序盤の時制に関する文法)が重要極まりないと、昨日書いた。中2生の序盤以降は、数学の公式めいた文法になってくるので、全単元を貫く原則と言い切って過言ではないかと思えるのは、この中学生活前半戦で学ぶ文法なのだ。
 ぼーんちょは、これがきわめて弱い。
 中3生が夏休みを終えた頃に、受験勉強と称して大急ぎで中1生のテキストから演習を重ねていくのだが、そのペースに倣わない限り、1度遅れたら遅れたものを取り戻すことは非常に難しいのが、中学校の勉強なのだ。ベテランは口を揃えて、
「中1生でダメな者は、高校受験でトップ校を目指せない」
と仰る。中1生でダメになるというのは、小学生の学習内容の積み重ねが無いから、進行が具体的で早くなる中学校のカリキュラムについていくことが出来なくなるケースを指している。ちなみにトップ校とは、学校の縄張りが区分けされていた時代の、その学区内の最高位の公立高校のことを指す。
 7月中に授業があっても、すぐに「疲れた疲れた」と机に突っ伏して結局起き上がらなかったり、自習通塾自体をバックれてみたり、とにかくダメだった。叱ってみても、「もうダメ」「無理」という姿勢で身体を起こすこと自体がキツそうな様子をする。実は彼には持病(自律神経障害)がある。だから、それが本当に障害によるものかは正直なところ、誰にもわからない。
 実に頭が痛そうにしているし、1問解くのに30分以上「うーん」と唸ったままであることもしばしばだったから、「帰りなさい!!」と怒って帰すこともあった。で、怒った翌日は「昨日はゴメンナサイ」と言ってコソコソ登場してくるのだが、それでも1時間が限界だから、ホントに情けない。ワルイヤツではないんだろうけれど、どこかに腐敗めいたものを感じてしまうのは、わたしだけではないと思われる。
 尚、夏だったから「帰れ!」という代わりに
「小包にしてクール便で北海道に送り出すぞ!」
と怒鳴っていたこともあった。大怒りしている傍らで、旧中学受験生の中1生が笑う。
「おまえもだ、モルぼーんちょ(=モル坊)! 黙ってやれッ!!」
「ぎゃー」
 まったく、どうしようもない。
            ◇
 とはいえ、最低限はゴリ押しした。
 ぼーんちょは、日本語の文法の基本を、理解した。
 英語ではなく、日本語の文法基本である。
 小4国語のテキストから引用した文法問題で、主語と述語を抜けるようになっていた。
 だから、修飾語が解った。日本語は主語と述語以外は、修飾語となるからだ。
「“揃える”と“揃う”。靴という単語を使って文をつくってみて?」
 こうした流れで、自動詞と他動詞を理解させた。
 英語を教えている或いは教えたことのある方には、わたしが何を狙ったか、もうおわかりかもしれない。――目的語という品詞を、来月に理解してもらうためだ。
 ――「靴が、揃う」と「靴を、揃える」。
 前者は、主語と述語動詞の組み合わせ。後者は、述語動詞の主語が無いのである。
 後者の「靴を」の節こそ、英語文法で「目的語」と称される。目的語を必要とする動詞が、他動詞である。
 日本語文法では使われない品詞、目的語。
 英例文が登場する度に、英語の語順について文法的な面から納得をしてもらうことを予期したのである。
 これが、当たった。
 8月の最終週の辺りから、ぼーんちょが少し顔つきが変わった。中2の英文で基本的な語順が理解できたらしく、「動詞が無い」とか「主語が無い」とか「目的語の位置がオカシイ」のミスが無くなったばかりか、英例文を見て目的語と主語と動詞が抜けるようになっていたのだ。おかげで、文法解説で人並みに理解できるようになったのだ。
 しかしながら、それは8月最終週であって、当時は7月の最終週。
 結局、暑い中で毎日呆れたり怒ったりすることばかりの、7月であった。
          ◇◇◇
 素人ができるのは、ここまでだ。
 やはり、それ専門の商売人には、及ばない。塾講師のアルバイトはプロフェッショナルの真似事をするものだが、ホンモノのプロフェッショナルの真似をするには、無理を伴う。
 「表現」としての効果性を高めるために、教育指導に関して主観的で結構具体的な描き方をするから、ギョッとされることも多いかもしれないが、わたしは作家志願であって教職者ではない。
「作家が学者の真似をするのは、危険を伴う」
と仰ったのは塩野七生先生であったと思うのだが、うろ覚えだ。
 作家志願のわりに、物を知らなさ過ぎると思わざるを得ない日々が、まだ続く。ゆえに、わたしは「先生」などではない。
 1人の自由な学徒として、勉強をせねばならない子供に付き添っているに過ぎない。
 ……とツツシミらしきものを持って、教育記録をしたためる今日この頃。
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