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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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 騎士マルタ ⑨

 モル坊は結局、授業以外の自習時間を効率よく過ごせていないのだ。練習の仕方や勉強の仕方をよく教え込み、指示したものだが、1人で着実に進めることが困難だった。わからなければ「う~ん」とずーっと悩み、それで「解らないものは飛ばして進める」と言えば、ほとんどを飛ばす。また、解説箇所を読めば、読んだ箇所全部にラインマーカーを引っ張って塗りつぶし、結局、練習問題を見ても、解説箇所のどこを参考にすれば良いのか、解らない。もちろん、わたしもコマメだから口先で指示しただけにとどまらない。すべて具体的にやって見せたのだ。放課後や手の空いた時間、そして非番の土曜日などにも1つ1つやって、勉強の仕方を身につけてもらおうとしていたが、それでも数か月程度で小学生が自力で学習する行動を会得することは、難しかった。
            ◇
 モル坊は8月に、塾会社の「合宿講習」の講座をとって小旅行をしてきた。それで少しは勉強する習慣が身についたもので、9月中は自習時間の効率が以前よりも高かった。
 しかし、10月になるにつれ、段々と元に戻っていった。10分毎に立って、授業を行っているこちらに顔を出してきた。何か喋りたくて仕方がないのだ。
 しまいには「授業妨害だ!」と、教え子その④がクレームをかけてくるようになってきた。
            ◇
 このときを、待っていた。
 教え子その④には悪かったけれども、誰かが文句を言うときを待っていたのだ。
 モル坊が来ても、わたしはモル坊に注意をしなかった。
 いや。そもそも、始めから「授業の邪魔をしてはいけない」などと説いておくことが普通なのだが、それすらも行っていない。だから、教え子その④が怒るのだ。
 だが、これをよく見据えての行動だった。
 モル坊に「自分の行動が悪かったんだ」ということを、ハッキリ理解してもらうことが、わたしの狙いだった。
 子供は止められたことについてその理由は解るのだろうが、「なんとなく解る」に過ぎない。なぜダメなのかのリアルな想像が出来ていないと、経験から推測していた。子供に予防として口先で釘を刺していても、数日後には元通りになる。
 相手が怒ったり実際に誰かが迷惑を被ったりする様子を経験できれば、自分の行動が迷惑だったことを自覚できると、わたしは考えたわけである。その行動の是非を、その都度自分で考えられるようになってもらうことを、狙っているのだ。
            ◇
 果たして、その通りになった。
 教え子その④がわたしに怒っている様子を見て、その上でわたしがモル坊に穏やかに頼むことによって、モル坊の自習中の立ち歩きが減ったのである。つまり、モル坊が授業中に声をかけてくる機会は、3回以内に留めることに成功した。
 そんな流れの中、時は10月後半に差し掛かっていたのである。
 10月の後半――モル坊のお母上と志望校を変更した、例の会談である。
 母子の2人暮らしをしてきた経歴があるから、1人っ子のように「年齢のわりにはシッカリしたところを持っている性質」を、充分に利用することが出来た。
 そうして至った、11月――。
 モル坊の自習の様子が、明らかに変わったのである。
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