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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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 騎士マルタ ④

 競争率が10倍近いと、模試偏差値ではアテにならず、完全に理解しているレヴェル――それこそ模試偏差値70前後――がなければ、勝利の確実性は発生しないのだろう。
 ゆえに。
 偏差値40がやっとの子供に勝機は万に1つもあり得ないばかりか、偏差値50半ばをとれる子供でも、合格するとはまったく思えないと、わたしはここでも語ったのである。
            ◇
 こうして、公立一貫校志願で見込みがまず無いことを、ハッキリと語った。
 彼らの目的が、「地元の中学に行きたくない」ということなのであれば、確実に勝てる勝負でなければ、意味が無い。
 そこで初めて、「国立中学」の話題を出した。
 公立一貫校は主に、市立か県立(都立)である。
 国立中学とはその名の通りだが、要するに、国立大学の背景があるものだ。
 学費は私立校の比ではない。公立並みに安いと言う。
 だが、大概の場合、そのレヴェルは非常に高い。偏差値70前後が普通に見えるくらいだ。高校が併設されている中高一貫教育もあるが、国立大学の名があるわりにエスカレータで同名の大学に進学できるわけではない。
 また、身近な国立中学の場合、問題視されるポイントが更にあった。
 高校が併設されていないのだ。
            ◇
 併設高校の無い中学への中学受験。
 中学受験をするメリットの1つは、高校受験をせずに済む点であろう。
 私立中学の場合、大概が中高一貫教育で、しかも高校からの編入を受け付けないところも少なくない。高校受験が無く大学受験くらいだから、5年はゆったり暮らせると言えるのである。ここに、中学受験という難関を乗り越えるだけの価値を見出せるものなのだろう。
 併設高校の無い中学に進学すれば当然2年後には高校受験があり、また多忙と苦難をきわめることになる。
            ◇
 高校が併設されていないことに加えて、身近な国立中学を受験する場合に、もう1つ大きなリスクがあった。
 試験が公立一貫校と同じ日なのである。
 だから、こちらを受験すると公立一貫校への挑戦ができないことになる。
 以上の2点で、身近な国立中学が敬遠されやすいのである。
            ◇
 だが、そんなだからこそ、利点となるポイントもあるのだ。
 そんな背景があるせいだろうか、その国立中学の模試偏差値が50前後程度である。
 加えて、競争率が精々4倍程度であってここ数年で更に低下を続けている。
 しかも、その国立中学は都合の好いことに、受験科目は2科(国語&算数)のみである。
 公立一貫校志願であって、塾の授業コマを私立中学受験生並みに取れない家庭でも、充分に対策が可能となり得る。国立中学ないし公立中学の試験問題は、私立中学のような「中学受験独特の知識」は少なく、公立小学校で学んだものが如何にキチンと身についているかを実によく検査してくる傾向があるのだ。
 これらのポイントに、わたしは目をつけたのである。
            ◇
 この地域は、低学力地域である。地元の中学校の指導はアテにならない。
 また、公立一貫校志願者とは高い競争率を知って受験し、しかも私立校と言う滑り止めは予定しない受験者が多い。失敗した場合は、地元の公立中学に通うことになる。
 つまり、中学受験を敗退で終えることは覚悟できていると捉えても良い。
 それすなわち、高校受験をせねばならないことも視野に入れているとも言える。
 こういう事情を理解しているから、モル坊のお母上にそれを順番に説いていったわけである。
 公立一貫校受験の合格見込みはまず無いということ。
 失敗した場合に通うことになる地元の公立中学の評判。
 高校受験も視野に入れていることへの確認。
 加えて、地元の公立中学の方針では上位高校進学はアテにならないこと。
 高校受験をせねばならないことになるのであれば、地元の公立中学より上位高校を狙える可能性のある国立中学に行くことを考慮に入れるべきではないかという提案。
 その国立中学を受験した場合、合格見込みはどの程度か。
            ◇
 東京大学の現役合格者の絶対数は、県下最高の公立高校(高校受験偏差値70)と中学受験偏差値60の私立中学は、殆ど同じなのである。また、準難関とされる明青立法中の私立大学の現役合格者の数もよく似ている。つまり、公立高校の価値と私立中学の価値は、こうしたところで直接比べることができるのだ。
            ◇
 或る程度の大学に進学することを考える場合、高校受験をするのであれば、トップレヴェルの公立高校でなくてはならないし、そのレヴェルの公立高校に進学するには、この地域の中学校ではハンディキャップが大きい。
 内申点をとれるところでは学校の勉強だけでは高校入学共通選抜試験で勝ち抜ける学力は身につかない。
 一方、内申点がとりやすいとは言えないところでキチンとやっても、高校入学共通選抜試験を上位成績で勝ち抜けられるような実力は育たない。
 ゆえに。
 この地域で暮らすものにとって、私立中学受験をするのは確実な選択肢の1つだが、或る程度で高い収入の家庭ばかりではない地域だ。その土地に古くから住んでいる金持ちがいる反面で、先の震災で陸の孤島になってしまうような近郊の田舎地帯とも言えるわけで、つまり一般家庭も少なくない。また、この辺りには外国人も多く住んでいる。収入が苦しい家庭も珍しくないのだ。
 学費という障壁があるのなら、国立中学を経由して高校受験をすることは、得策ではないか。高くない出費で、高校までの教育(学歴)を充実させることができるのだから。
 もちろん、大学も安く済ませたいのであれば、国公立大学を受験しやすい(或いは公立大学の推薦枠が多い)高校を選ぶわけで、それは必然的に上位高校となるのだ――。
            ◇
 モル坊の母上とその後登場したモル坊に、以上をよく説いて聴かせたところ。
 なんと。
 実にすんなりと、志望校の変更を行ってもらえたのである。
 かくしてモル坊は、国立中学を第一志望とすることになったのだ。
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