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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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 騎士マルタ ①

 その坊やは「元気な子犬」とよく喩えられるが、わたしの初対面の印象は、モルモットくんだった。
 昨年の3月頃に入塾してきて、初回の授業をわたしが受け持って以来、そのままわたしの担当となった。よく懐いたせいもあるのだろうが、理由は他にある気がしてならない。
 打算的な現場監督で、しかも結果に関してわたしに信用が無いのである。
 教室の結果を期待できる生徒をわたしの許から離し、結果は適当でもどうにかなるようなものはそのままにするようなところが、あったような気がしてならない。
 そのモルモットくんは、仮に「モル坊」と呼称することにする。
            ◇
 さて、そのモル坊だが、わたしの話が解って面白がる子供だった。わたしの話が解る子供と言うものは、大概が教室を代表する賢い子供となってきた歴史があるが、わたしが「この子はデキるな」と感じた直接の原因は、会話だった。喋ってみると、アホっぽい感じが、しないのだ。はきはきとした受け答えで、しかもなかなかシッカリしている印象を受けたものだ。
 しかし、「やれ」と命じられた簡単な問題もすぐとりかからず、なんだかんだと色々喋ってから漸く始めるといった態度だった。周囲の大人は、子供のこうした態度を見ると、往生際が悪いと思うのではなかろうか。結局「やれ」と命じてから、10分しないと前進しないこともしばしばあった。余談だが、何かを始める前に喋る内容は、「やりたくない」などのマイナスの言葉ではなく「よし、始めよう!」などの掛け声だった。掛け声ばかりがオウオウ続いてなかなか始めないのだから、おマヌケな光景ではあったと思われる。
            ◇
 4月に、中学受験生対象ではなく、標準の小6生対象の模試があった。
 このときの偏差値は40で、標準の小6生でややデキる子よりも遥かに劣っていることは、言うまでもなかった。その後の標準小6生の模試も40を切る結果がずっと続いた。
 わたしは基本的に模試の成績よりも人柄とか性格とか態度を見て、子供を評価する。だから偏差値40以下であっても全然気にすることがなかったが、モル坊の親御さんが、
「なんっじゃ、こりゃーっ!」
と仰ってモル坊が怒られるとなったら、さすがに慌てた。モル坊の弁護に出て、テストの成績が悪いことで怒らないことを説いた。3度ほど説得し、2度目のときはモル坊が帰宅した直後に彼の家に電話して、予め弁護の言葉を並べたほどである。
            ◇
 モル坊は、それでも中学受験目的で入塾してきた。
 狙いは、県立の中高一貫校だ。
 公立校で学費が安いのに高校附属だから大人気を博している、噂の中学である。
 その競争率は、例年10倍。近頃はやや落ちてきているが、それも「記念受験」のような成績下位層の受験者が減ったからだと言われている。競争率10倍は、ワンダーランドである。その中学校の模試偏差値は56だが、60の偏差値をもっている子供が挑戦しても合格可能性は高くないのだ。
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