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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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 描くべきは性交ではなく、情交。

「心にも無いこと、いったね」
「言葉の綾だよ。不毛な片想いを続ける愚かな幼馴染に引導を渡すためのね」
「恐ろしい発言だけど、ここまできたらもう、さすがにぼくも驚かないなぁ。あと、愚かなのは、ご自分の性生活を誇るような男だよ。例えば、きみの以前のカレシとかね」
「えっ」
「閨をともにする男女間のテクニックなんて、女が評価するものであって、自分で吹聴するものではないと思うよ」
「……きっと、イヤガラセでいったのよ。話し相手があたしに惚れてるあんただったから、」
「そんなことはないね」
「なんでそう言い切れるのよ?」
「ぼくへのイヤガラセなら、きみを侮辱する発言のほうが、はるかに効く」
「あたしがカレシにするような男があたしのことを悪くいうわけないじゃない!」
「そうだよね。でもきみは、真心と誠意を感じさせてくれる、カレシのあま~い囁きという嘘八百に、全然気がつかないような女ではないものねぇ?」
「そんな言い方はやめてくれる? 動揺しそうになるじゃない」
「ぼくは、不幸だけはよく知っているものだから」
          ◇◇◇
 胸の奥、傷は静かに、息をしている。
 おはようございます。
 いるんですよね、“テクニシャン”を自負する男。生殖器の大きさを自慢する男。
(ところで。つかぬことを確認しておきたいのですが。
 いつも思うんですけど、「生殖器」という言い方と「性器」という言い方は、その単語を口にするキャラとその時の表情によって、随分と雰囲気が変わる気がしてなりませぬ。わたしはいまだに照れがあるので冷静に慎重に最低限で前者の単語をつかいますが、中年のオジサンが後者の単語を連呼すると、卑猥さに説得力が付加される気がします。意識のし過ぎでしょうか?)
 性欲とそれに伴う具体的な行為は、行為そのものだけを描くと、あまりおもしろくない。
 基本的な「性」は対象となるものに、自分とは別個の人格があり精神がある。性的な行為そのものを表現したいなら、その具体的な行為を簡潔に書きつつ、2人の人間の行為中の心の流れをよく表現できれば、官能表現としても上等だし芸術的にさえなり得る気がします。というか、それだけで物語として完成する部分になる。
 え? 具体的に、ですか??
 例えば。
            ◇
「焦らさないで、ください……」
 涙で潤む瞳で女の子が辛うじて哀願する。男の子はそれを無視して、後頭部を掻き上げるような要領で撫でたり、背中や額をよくさするように撫でたり、胸や腕をゆったりとよく揉んだり、太腿の内側を噛んでみたりするわけだ。男の子のリアクションのたびに、女の子は「あっ」だの「うっ」だのと声を上げ、やがて、もっと触られたい方向や揉まれたい角度に、躯をもぞもぞと動かしていく。
 揉みしだかれながら、女の子は悶えて泣き声を上げる。
 男の子の方は、腕の中の女の子の様子を凝視して微笑する。うわごとのような声や叫び声を上げさせているのは俺だ。感じさせているのは俺だ。女の子を自在にあやつっている。そう思うことで自尊心が充たされているのだ。
 さきほどまでシーツとタオルケットは乾いていたが、今はしっとりとしていた。
            ◇
 とまぁ、こんな感じでしょうか。このあと、躯を密着させるシーンがきて、乱れる描写があって、やがて目で訴えてくる。「きて!」なんて。
 また顰蹙を買うマネをしてしまいました。
 ……先日は書店を歩いていたら、『官能表現用語集』なる書籍に目が留まる。
 題名通りで実用的な作りなら、これはかなり画期的な内容ではなかろうか。しかしながら、同時に「あられもない悲鳴の図鑑」みたいな内容だったら悔しい気分に陥る気がしたので、中身を確認しなかったところ、翌日通りかかってみたら無くなっていた。
さすがに取り寄せる気はしませんでした。ざんねん。合掌。
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