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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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重篤な後遺症


 最近は、妙なことに驚かされる。
            ◇
 3代目の塾長が辞めて、4代目が決まった。
 今の時期は、前の教室との兼ね合いで4代目塾長が来られないときは、ブロック長と呼ばれる地域管轄の上司が塾長代行を務めたりしている。
 このブロック長は、ゾウみたいな巨漢で落ち着いているわりに、丁寧語口調の中で言葉の節々で「奴は・・・」とかの口調が微妙に混ざる。これが結構オッカナイ感じがする。基本的にあまり見かけることはないのだが、時期が時期だけにここのところ見かけるようになった。
 2代目塾長の時代については、少し前に書いたので端折るが、そのときのブロック長と呼ばれる人物も当時の塾長同様、どうかしているような輩だった。その上の事業部長からして頭悪そうなので、会社自体を重篤な病巣みたいなものだとすら思っていたし、そんなだから、会社の名前を聞いただけでアレルギー物だった。その会社の社員だとか塾長だとか聞いただけで、危険人物だとすら自動的に認識して怒りの目の色になったものだ。
 ゆえに、そんな塾に間違って入ってきたような子供たちを守るのが使命であるとすら感じていた。
 実際、教え子その①のときなんかは、彼女の授業が他に回らないようにもう必死だった。何が何でも教え子その①の面倒は自分がみるとして、ハズれた場合の手回しも怠らなかった。
 ……まぁ。私もそれだけヒドい生き方をしてきたということだ。
 仕事への姿勢は真面目だったし戦力になっていたハズだったが、冷遇されることばかりだった。
 今から思えば、ごく一部を除いて、周囲の人間すべてを悪人だと思っていたと言って過言ではないような気もする。
            ◇
 そんなだから、マジメな3代目塾長もつい最近まで疑ってかかっていたし、そのゾウみたいなブロック長も訝しんでいた。
 だが、それも今、気分が変わってから見てみれば、だいぶ普通の人に見える。
 先日は話をする機会があって、随分と喋ったものだったが。
 とりあえず、頭がオカシイ人間には見えない。むしろ、会社がどうであれ、さすがにその道で生きている御仁だけあって「お」と思うような格の違いの片鱗らしきものが見られた。単に普段から居ない教室だけに、気を遣っているだけかもしれないが、一人の生徒の窮地に対する善後策が具体的だったのだ。これは3代目塾長以上に、明確で間違いなさそうなことを若い講師に指示していたトコロを見て、少しばかりホッとした。たぶん、我が想像ほど悪い人間ではないであろう。
 4代目塾長も見た感じは、善くない感じの人間に見えない。
            ◇
 考えたのは、喋ってみなければわからないということだ。
 基本的に、デキる3次産業の現場監督は、そこのユニットと必ずよく話をする。ユニットの個性を把握しようとする。だが、それを心得ている者は、実はそれほど多くはないのではないかと思うことがある。
 だから、向こうがそう動かないなら、こちらから機会を見計らって動いてみるかと思うのである。
            ◇
 今年は、中学受験生がいない。
 噂では中学受験を志す1人の小6生が来るらしい。
 こうした情報は学生講師のミケランジェロには伝わるが、なぜか、最もその分野で力を入れて仕事をしていると思われる私には、まったく情報をくれたりはしない。目の前の人間をひたすら悪人だとしていた時代は、随分と頭にきたものだが、今はそうも思わなくなってきた。その教室のその分野の専門を自負するだけに肚は立たないでもないが、それで相談されても、私が図に乗るだけで、善いことにはならないであろう。
 強者は自ら求めないのだ。
 こうした仕事は、必要になったら、向こうから呼びかけてくるであろうから。
 専門を自負していた仕事に、それほど執着がなくなってきたのである。今回の名門お嬢様中学校の合格は、指導の精確な成果かはともかくとして、個人的にはいい仕事をしたと思えるし、今後も教え子が気に入れば、それだけの力を惜しまずに動くにちがいないだろうから。そして、そうしてきた教え子たちは、みんな中学生になって今手元にいる。
 今の立場で、これ以上に望むものがあるだろうか。
            ◇
 中学生になってしまった付き合いの長い子供たちに、正確な仕事を以て応えることが、第一の仕事となってしまったのだ。中学生への指導を勉強せねばならない。この辺りで、教わるものがあるかもしれない。
 目の前に立つ権力者を無差別に嫌うといった姿勢を、少しばかり改められる機会に、なるかもしれない。
 心境の変化は、ジャグラーの波のように数年毎に自然と起こるものだがと思っていたが、珍しく自覚的にそうしようとしているし、またそうした考えを好意的に捉えようと思ってている自分に、驚いている今日この頃である。
 どんな会社にも、良識や常識をもっている方というのは、本当に少ないと思うけれども、いないというわけでもないらしい。
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