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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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キャラクターの試作

( 製作メモより抜粋 )
・ キャラクターのイメージを立てる。
・ イメージサンプルでの条件は、ライトノベル的に描くこと。少ない文字数で作者自身にも想像を掻き立てるようにする。地の文よりもダイアログ。
・ やってみて調子が好ければ、2000字程度でまとめるショートストーリィにでもしてみる。イラストでもそうだが、とにかく描くことで、創り出したキャラクターは生み出した輩の中では動いて見えるようになる。
          ◇◇◇
 ※ キャラクターの試作 : 「ダーク系ヒロイン」
「おい、待てよ!」
 みんなの注目から外れ、静かに去りゆく様子は、まるで各人の盲点を通過しているかのようだった。その滑るような足取りは、急な階段を流れ落ちる紫の絹を思わせる。
「玖珂舘! どうしてだよ」
 玖珂舘は振り返らない。足音すら立っていないような気がした。
「また、興が冷めたとでも言うのか」
 玖珂舘が、立ち止まった。それは、あまりに意外な反応だった。
 驚嘆で僅かに見開いた俺の目は、光が映り込まない程度に細められた玖珂舘の視線に捉えられた。
「そうではない」
 たった――。
 たった、それだけの言葉を発すると、玖珂舘は背を向けて再び滑るように歩を進めていた。
 いつものように。
 いつものように俺は、その視線に冷たさを通り過ぎたようなものを感じて、呪われたように動けなくなっていた。
 ――ヤツの眼の中には、風が吹けるくらいの大きな空間がある。
 真っ直ぐに見ると、玖珂舘の目は、ガラス玉のように思えてならない。きれいだが、それは人間の眼としてのきれいではない気がした。義眼のような美しさだ。
「義眼、か」
 我ながら的確な表現だと思っていたら麻痺状態が解けたので、風景の中の原色にでも溶けていってしまいそうな背中を追いかけた。
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