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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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ゴーレムの記憶

「話し合いをしよう、時間取れる?」
 即座に、殺気立った。
「今すぐでいいけど」
「ダメ。今酒が入ってるからまともな話が出来ないよ」
「――――――――」
 やりきれないような気分で、いっぱいなのは言うまでもない。
 普段から顔も見たくないと思っているような、相手である。
            ◇
 約束の「話し合い」の明日のその時間までとその間とそれ以後の数日間(ヘタをすると数ヶ月)、暗澹たる気分が続き、物事がすべて上手くいかなくなる前兆である。
 予告の人災だけに、それを防ぐ、あるいはその被害を最小限に食い止める方法はあるのだが、生憎避難場となる場所は地震ですべてオジャン。運命すらも味方をしない。
 まぁ、いつも通りなんだけれど。
 それでも、最悪な気分は拭えない。もう気分的なものに余裕はまったくないだけに、かなりあぶない。
 今、以前ほど気力や活力が湧かないし、そうでなくても元気がないというか、滅入っている状態なのに、悪いときに最悪なものがかかってくる。
 無感動状態になって、体温が下がってすらいる。
            ◇
 それは、いわゆる“話し合い”になるのだろうか。
 そもそも、私には一般的な会話を楽しむような機能はない。
 既に自分なりの答えが常にあるし、多少の浮き沈みや優柔不断こそあれども、基本的に肚の在り方は決まっている。完結したものを持っているから、他の人々と話すと大体の場合、会話にならないことが多い。
 というか、同じような次元の者たちでないと、会話が成立しない。
 だからこそ、いつまでも味気ない生活の中を一人でやっていけるし、やってこられた。
 その周囲は、完全にプラスマイナスゼロではない。
 悪魔のようなヤツらばかりだ。
 いや。種類にもよるのだろうが、悪魔のほうがまだマシかもしれない。
 合理的な話が出来て、互いの意志の表示がし合えて、互いにそれを理解して条件の吟味をすることができて、正確に対立出来るだけ、なんぼかマシである。希望なんか持たないけれど。
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