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ローリン・ダイニング!!

Rowlin’Dining! すべての作品は、新作の材料だ!
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究極に様式化された動機

  クビキリサイクル

 作者 : 西尾維新  ISBN : 4061822330

 Ⅰ. あらすじ
 世界に名だたる才人たちを招待すること。それがその孤島の主の余興であった。
 「ぼく」の友人がその天才であったため、「ぼく」は付き添いとして島に赴く。
 こうして集められた、7人の客と主を含む5人の住人。
 そのうちの1人が変死してしまう。明らかに他殺体だった。
 なんせ、首がないのだから。
 首を落とされた死体は、一方向にしか出口のない部屋に転がっていたのだ。
 その出入口ですら、普通に考えたら残っているはずの足跡が残っていないという謎が横たわる――。
 それは密室殺人事件だった。
 このままでは、その島に拘留され予定通りに帰宅することができない。
 病的なまでに、予定通りの行動をしたがる友人のために、「ぼく」たちは事件へ立ち向かう。動機や演出など、破天荒といわれ名実と共に伝説となったデビュー作である。

 Ⅱ. 初見
 意見が分かれるタイプの作品である、とは本作品をご覧になった誰しもが口にする言葉の1つだが、まさにそんな感じである。
 「トラウマ」とか「天才」とか、いわゆるお約束となるような単語を演算記号として効率よく使ってミステリを描いた作品である。驚いたことに、最初こそバロックな感じでけばけばしさを感じたが、表現においてそれが最も合理的で効率が良いことが分かる作品でもある。「天才だから」とか「トラウマで……」とか言われてしまえば、理由だろうが何だろうが、それまでだからだ。こうすることで、キャラクターに行動制限を始めとした条件も設けられるし、しかも論理的で説明臭い部分や哲学的な話題、心理に関する考察などをどんどん重ねていっても、登場人物がみんな「サイコさん」だから、不自然に見えない。
 意外性の演出としても、アクションやお色気などをいい位置に持ってくるので、飽きさせないつくりになっている。
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