物語構造の研究 ①
Ⅰ. 「序」「破」「急」と「起」「承」「転「結」の定義
直感的に「序破急」を「起承転結」に収めると、
序 = 起 / 起+承
破 = 承 / 承+転
急 = 転+結 / 結
このような当てはめになると考えるのが、一般的だと思う。
ここで見えてくるのは、「起承転結」のうち「起」「結」についてはあまりブレがない。
① = 「起」 = 「序」 … 導入部
④ = 「結」
と思ってひとまず間違いはないだろう。念のため辞書を引くと、序破急の「序:導入部」とある。ゆえにこれは間違いない。問題は「破」「急」である。
「破」…中間。変化をつけた展開部である。
②そのものだが、③には重なるか否かと言ったところか。
「急」…結末部
④そのものだ。③ではなさそうに思えるが、実際にいくつか小説を解くと③の内容次第であるので、重なるか否かは微妙なところだ。
本来的な意味での「序」「破」「急」の3つの各字は、「起」「承」「転」「結」の4つの各字ほど安直な意味ではないようだ。字面で「承」に当たる部分が分かりにくい。だが、どうやら「承」=「破」と考えて間違いないようだ。
ゆえに、上記「①②③④」と「起承転結」と「序破急」の関係はひとまずこうなる。
① 「起」=「序」 … 話の状況――舞台と設定の構築
② 「承」=「破」 … ①の状況を何らかの方向に進める
③
④ 「結」=「急」 … 結末
すなわち、③と「転」の定義である。これが難しい。実際にいくつか小説を読んでみると、他の3つほど具体的な文章の塊が見つからずに、分解で迷うことが多いのではないだろうか。実際、物語内容を把握して、脳内であらすじ的にまとめてみないと見えてこないのが「転」であり③なのだ。おそらく、この「転(③)」を形式的にいかにして目立たなくさせるかが、ある意味ではテクニックなのだと考えられる。言ってしまえば、物語の転換点であって、それは範囲ではない。点――ドットなのだ。
すなわち、「転(③)」というのは、読者側から見た、構造を説明するための便宜上の段落であり、実際の小説内では、②(の最終部分)か④(の冒頭)になってしまっているケースが殆どと言える。③で具体的な文章の塊で分けられていても、分析を進めていくと②か④に収まっていってしまうのだ。
もちろん、例外(っぽいもの)はあるのだ。④がドット的な場合がある。「結」がエピローグと言う括りで、1-2枚のすごく短い場合だ。すると③が厚みを持っているように見えてくる。「転」だけにどんでん返しが最後まで続く場面。だが、これは往々にして「承」に分類される場合が多い。「起」と「承」を正確に見定めねばならない。ゆえに、やっぱり「転(③)」は小さなものになる。
「転(③)」とは、あくまで、物語全体の「決め手」であり、折り返し地点であるから、突き詰めると1文とか1言でしかない場合も多い。
だから、明確に分けるよりも、物語の各段落の構成を意識して分解すると、②か④に収まってしまう。各段落①も②も④も(小さな)オチが着いてまとまっているからだ。
<次回に続きます>
直感的に「序破急」を「起承転結」に収めると、
序 = 起 / 起+承
破 = 承 / 承+転
急 = 転+結 / 結
このような当てはめになると考えるのが、一般的だと思う。
ここで見えてくるのは、「起承転結」のうち「起」「結」についてはあまりブレがない。
① = 「起」 = 「序」 … 導入部
④ = 「結」
と思ってひとまず間違いはないだろう。念のため辞書を引くと、序破急の「序:導入部」とある。ゆえにこれは間違いない。問題は「破」「急」である。
「破」…中間。変化をつけた展開部である。
②そのものだが、③には重なるか否かと言ったところか。
「急」…結末部
④そのものだ。③ではなさそうに思えるが、実際にいくつか小説を解くと③の内容次第であるので、重なるか否かは微妙なところだ。
本来的な意味での「序」「破」「急」の3つの各字は、「起」「承」「転」「結」の4つの各字ほど安直な意味ではないようだ。字面で「承」に当たる部分が分かりにくい。だが、どうやら「承」=「破」と考えて間違いないようだ。
ゆえに、上記「①②③④」と「起承転結」と「序破急」の関係はひとまずこうなる。
① 「起」=「序」 … 話の状況――舞台と設定の構築
② 「承」=「破」 … ①の状況を何らかの方向に進める
③
④ 「結」=「急」 … 結末
すなわち、③と「転」の定義である。これが難しい。実際にいくつか小説を読んでみると、他の3つほど具体的な文章の塊が見つからずに、分解で迷うことが多いのではないだろうか。実際、物語内容を把握して、脳内であらすじ的にまとめてみないと見えてこないのが「転」であり③なのだ。おそらく、この「転(③)」を形式的にいかにして目立たなくさせるかが、ある意味ではテクニックなのだと考えられる。言ってしまえば、物語の転換点であって、それは範囲ではない。点――ドットなのだ。
すなわち、「転(③)」というのは、読者側から見た、構造を説明するための便宜上の段落であり、実際の小説内では、②(の最終部分)か④(の冒頭)になってしまっているケースが殆どと言える。③で具体的な文章の塊で分けられていても、分析を進めていくと②か④に収まっていってしまうのだ。
もちろん、例外(っぽいもの)はあるのだ。④がドット的な場合がある。「結」がエピローグと言う括りで、1-2枚のすごく短い場合だ。すると③が厚みを持っているように見えてくる。「転」だけにどんでん返しが最後まで続く場面。だが、これは往々にして「承」に分類される場合が多い。「起」と「承」を正確に見定めねばならない。ゆえに、やっぱり「転(③)」は小さなものになる。
「転(③)」とは、あくまで、物語全体の「決め手」であり、折り返し地点であるから、突き詰めると1文とか1言でしかない場合も多い。
だから、明確に分けるよりも、物語の各段落の構成を意識して分解すると、②か④に収まってしまう。各段落①も②も④も(小さな)オチが着いてまとまっているからだ。
<次回に続きます>
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- 2009/11/06 (金)00:06:06
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話の製作にあたって、最も基本的な構造を研究した結果をまとめる。
◇
基本的な構造として「序破急」とか「起承転結」と説かれることが多いが、実際の物語を解体してみると、人によって、意味性や形式などの視点で分け方が多少異なる場合がある。とはいえ、やっぱり「起承転結」で基本的に考えて分けるだろう。
① 話の状況――舞台と設定の構築
② 設定した状況を進める
③ 場面が変わる
④ 急展開して、その結果。そして幕。
4つに分けられるから、4つのポイントで作られている。
ただ、ここでこの4つを「起承転結」にあてはめるのは、ちょっと待っていただきたい。
と言うのは、「起承転結」とは、あくまで便宜上の意味合いが強いのだ。つまり、作者としての目線で捉えると言うよりも、その文章を読む人のために設けられた基準なのではないかと、製作について研究を重ねてきて、思うことが多くなったのです。
今回は、小説になる「物語」を効率よく量産するためにはどうしたら良いか、考えてきた1つの終着的研究結果を報告したいと思います。
最も単純な物語――換言するなら、物語としての最低の基本構造とはいかなる物か、迫っていきたいと思います。